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含水比

含水比

含水比の測定には,秤量缶,バランス,乾燥機が必要であるので,それぞれについて以下に説明する。

a. 秤量缶
 秤量缶は土の含水比測定するときに必ず必要とされる。昔ながらの磁製皿を用いている人もいるだろう。秤量缶として好ましいのは,軽い,割れない,耐久性があるということだろう。

便利なのは,市販の蓋付きのアルミ秤量缶(元々はお米の千粒重の測定に用いた)である。しかし,土の体積が限られる。このようなときには,ビールのアルミ缶を利用するのが大変便利である。少量の土の場合は135 ml,多量の土の場合は500 mlとなる。ただし,周りにビールを大量に消費してくれる人がいないと数を稼げない。

作り方は,定盤の上に空き缶を置き,トースカンを用いて一定の高さに鋭く複数回罫書き,後はプルトップのついた方を引き裂くと手でも簡単に切り離せる。切断面は鋭利であるので,手を切らないように注意をするとともに,金鋸の切れ端を用いて切断面をなめらかにする。このアルミの秤量缶の利点は大変軽い割りに体積が大きいこと,廃棄物の再利用なので潰れたときには気軽に廃棄出来ることである。

少量の土の質量を沢山計量するときは,お弁当のおかず入れに使われるアルミ箔の容器も大変便利である。工業製品であるので,質量の固体間差はほとんどない。土を入れて包むだけである。

炉乾した土はデシケータの中で冷やしてから測定するように実験書に書いてあるのが普通である。しかし,自家製のアルミ缶には蓋がない。そこで,乾燥機から取り出して直ぐに秤量する。このとき,天秤の皿が高温になるのを避けるため,放熱しやすいような網をおいておくと良い。もたもたしていると炉乾土は空気中の水分を吸って質量が増す。

b. バランス
測りたい土の質量と含水比の精度をよく考えてバランスを選ぶ。フィールド試験では,含水比の精度は1%あれば十分であるから,試料の含水比を0.1%の精度で求めることが多い。

乾土が100 gの場合,バランスの精度は0.1 gとなる。土粒子密度と乾燥密度の有効数字は小数点以下2桁である。このことからも,バランスの精度は試料の質量の1/1,000であればよい。

乾燥機から取り出して,質量が0.1 g(または,0.1 %)増加するまでに測定を終えられるかどうかをあらかじめテストしておくことが大切である。

無理であるならば,デシケータを使うが,そもそも大量の試料の含水比を一度に測るのが目的なので,別のフタ付の秤量缶を考えた方が良いだろう。例えば,乾燥機の温度設定が正しく行われるならば,本体の耐熱限界が120℃のポリプロピレン容器と蓋(ポリプロピレンではない)などが考えられる。

c. 乾燥機
案外無頓着なのは乾燥機の温度と乾燥時間である。標準的な測定法では105℃,24時間となっているが,時間はともかく試料の置いてある場所の温度を測ったことがある人は少ないと思う。

ファンが付いていない乾燥機では,庫内の温度のバラツキは案外大きい。また,試料を長く入れておくと質量が減少するのが普通である。自分が試料を乾燥している間に大量の湿った土を乾燥機に入れてしまう人がいる時もある。多量の土を乾燥させる場合にはファンのついた乾燥機(通風乾燥機)が必須である。

このように考えると,含水比の測定も単純ではないけれど,自分で基準を決めて測定にかからないといつまでもデータの不備を含水比の測定といった最初に求めるデータのせいにして一向に前進しない。

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