Quick Homepage Maker is easy, simple, pretty Website Building System

土を削る

土を削る

「削る」という言葉が良く出るのは,土壌断面の観察をするときである。スコップで土を「切る」だけでは表面が乱されて細部がよく見えない。このようなとき,包丁や根掘りなどの刃先で土の表面を削る。

また,円筒試料(100 cm3円筒などで採取した試料のこと)を成形する際にも「切る」と「削る」の両方がある。砂(砂丘未熟土)や細粒土の乾燥密度測定する場合には円筒と同じ体積になるようカッターナイフやワイヤーソーで土を切るが,普通の土では図のようにして円周部から土を削りながら成形する。

乾燥密度ではなく透水係数を測定する円筒試料の場合には,砂丘未熟土を除けば,円筒と同じ体積になるようにスパッと切るよりも,自然の構造を出来るだけ露出させるように削る。

写真のように小道具を作って土の表面を削る(削るというよりも“はつる”が適当かも知れない)。写真は断面積が100cm3の不飽和透水係数用の円筒試料を削っている様子である。片側全面を削るには約1時間はかかる。不飽和透水係数の測定は10日から2週間かかる。したがって,成形にかかる1から2時間をケチる必要は全くない。いい加減な成形をしたために測定結果について悩む時間の方がよっぽど時間の浪費である。

このことから分かるように,採土した現場では細かな成形はせずに,運搬に耐えられる程度の成形にとどめておくことが肝要である。

◎成形する
野外では常に晴れて暖かく気持ちが良いとは限らない。雨が降り始めたり,雪が残っていたりで寒い日もある。また,土壌調査と採土に思いの外時間がかかり窮屈になることもある。したがって,現場では綺麗に成形せずに,実験室まで運搬する間に土が円筒から抜けたり崩れたりしない程度の成形にとどめた方が良い場合の方が多い。

100 cm3円筒で土を採取したときは,円筒の上下にはみ出した土はカッターナイフを用いて写真のように成形する。カッターナイフは,刃渡りが5cm以上有り,刃が鋭利であるので成形には一番適しているようである。ただし,手を切らないように十分に気をつけること(サンプリングには化膿止めの塗り薬とサビオを必ず持っていくようにする) 。カッターナイフで根が切れないときはハサミで切る。小石が飛び出しているときは,丁寧に取り除き成形時に捨てた土で埋める。乾燥密度や保水性試験用の不撹乱土はこのようにして成形するが,透水や通気を測定する不撹乱土では,成形時に土を練り返すことが空気や水の移動に大きく影響するため,穴は残して置いて構わない。移動現象の測定用の成形については不飽和透水係数の項で説明する。悩むのは1つの試料で乾燥密度と透水係数を測定するときである。試験の目的を考えてどのように成形するか決めざるを得ない。成形し終わった円筒は蓋をし,蒸発を防ぐためにビニールテープで留める。

powered by Quick Homepage Maker 4.91
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional