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負圧浸入計

負圧浸入計

負圧浸入計

a. 概要
 負圧浸入計(図13)では近飽和の透水係数を求めることができる。原理はWooding (1968)の式が成り立つことと,透水係数が吸引圧の指数関数で表現できることという2つの仮定が含まれる。

画像の説明

野外の土は不均一の程度が大きいため,浸入計の直径は大きいほどが好ましいが,直径30 cmの円板を置くための土の表面を平に成形するのは容易ではないので,30 cmが円板のほぼ限界である。

透水係数の求め方には,直径の異なる負圧浸入計を用いて透水係数を求める方法(複数直径法)と1つの負圧浸入計を用いて負圧を変えて透水係数を求める方法(複数負圧法)とがある。

前者では負圧浸入計を置く場所が異なるため,土の不均一性を強く受ける。したがって,多数の測定を行って最小二乗法で透水係数を求めることになる。

一方,後者は同一地点で負圧(マトリックポテンシャル)を変えて測定を繰り返すので透水係数は簡単に求まるが,その値が測定場所の透水係数を代表しているという保障はない。

b. 測定法
 この試験の精度を左右する要因の1つは負圧浸入計の底面と土壌表面との接触を保障するための接触材(contact material)である。また,接触材の厚さは薄くて均一であることが好ましいので,土壌表面を水平にすることも大切である。水平にするには雑草刈りに使うホーの柄を短く切り,なおかつ刃面を出来るだけ平にするようにグラインダーで削り砥石で研磨するとよい。ただし,ホーの刃渡り長からすると,直径が20cmを超えるディスクには使えない。

 接触材は川砂よりも粒径が細かい海砂が適当である。均一に薄く広げるにはストレートエッジを使うと良い。

負圧浸入計の特徴は亀裂等の粗孔隙を水が流れないことであるが,砂が亀裂を埋めてしまい,水が亀裂壁面から浸入してしまうという可能性もある。また,砂を厚く撒いてしまうと,土への浸入水量が不正確になることに加え,部分流が発生してしまうこともある。

 ナイロンメッシュはディスク側面にゴムバンドで固定し,気密にする。市販のゴムバンドの他ディスクの直径によっては古タイヤを輪切りにして使うことも出来る。ナイロンメッシュはNBC工業製が容易に手にはいる。網目の大きさはいくつかあるが負圧15 cmまでならば,N-NO.380Tなどが適当である。

 給水管に水を入れるには管上部のピンチコックを開いて口で吸うのが最も良い。ディスクを地面に接触させる前に乾いた雑巾の上に載せることにより余分な水を除く。

負圧浸入計は多くの場合30分以内に浸入速度が一定となり,シリンダーインテークレートと比較して短時間で測定を終了出来る場合が多い。それでも負圧の大きさや土により浸入量が異なるので,太さの異なる給水管を持っていると都合がよい。途中で水切れを起こし,ディスクを土から離すことは避ける。

 土壌表面の負圧は図13のhA-hBとなる。複数負圧法で負圧を大きい方から小さくしていくときは,負圧調整管の下側のバルブを開いてhAを小さくする。

 測定中の大風が吹くと,直径の小さなディスクは倒れてしまう。ディスクの上に小石を載せる,給水管上部をスタンド等で固定するといった対策が必要である。

参考
Wooding, R.A. Steady infiltration from a shallow circular pond. Water Resources Research 4:1259-1273 (1968)

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